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文庫本発売:「その愛の名は、仁義なき溺情」

投稿しているつもりがなっていないことに大慌ての7/5現在!

エタニティ文庫版「その愛の名は、仁義なき溺情」が7/1出荷予定で既に発売されております。
お迎え予定&GETのご報告、ありがとうございました。

こちらは単行本で出ていたものを改稿+書き下ろし番外編つきになっています。
単行本とは違って、ツヤツヤ風味。
そのまま縮小されたと思いきや、タイトルのデザインや帯もちょっぴり違います。

↓以下少しだけネタバレありますのでご注意ください。

この仁義なき~は、元々正月の初夢(!)に見たものを膨らませたもので、その時見た夢というのが単行本でも文庫本でも収録されている
瑛視点の番外編のものが大まかで、よりによって重苦しいものをなぜ初夢に…という、印象深い作品でした。
その時、夢の中の瑛が背に背負っていた入れ墨がやけに生々しく心に残り、ワンワン瑛になってしまいました。
瑛にとって入れ墨はヤクザの証というより自分の存在証明みたいなものなので、オーソドックスな和彫りタイプではなく、
もっと象徴的なものの方がいいと思っていました。なので、十字架とかのモチーフよりワンワンの方が個性的で、孤高の一匹狼(犬?)みたいな雰囲気になるかな…と。

尚、序盤に出てくる組長の遺言書を披露していた顧問弁護士が…はい、エタニティさんで単行本で出ている「愛蜜契約~」のヒーローです。
組解散後の物語として、「仁義なき~」は瑛がヒーロー、「愛蜜契約」はその顧問弁護士がヒーローです。
ルネッタさんでの「甘く不実な恋人契約」で出てくる悪役の「西条家」…そこの有望な妾腹の子も瑛です。
また瑛は、夢中文庫さんの「心恋」のヒーロー大雅とも関わりがあります。
拙作でダークな家として出てくるすべての「西条家」は瑛の家であり、もうすでに闇に染まっていた瑛は、堅気になってさらに西条家の悪に染まることなく、お嬢一筋。
お家騒動などがあっても、お嬢と関わらないことは無関心です。
だけどお嬢が「西条家が欲しい」といえば、きっとどんなあくどい手を使ってでも手に入れるんでしょうね。

ヤクザといえば暴力を思い浮かべますが、仁義なき~は極力そうしたシーンをやめて、瑛の囲い込みの方に強引さを出しました。
個人的には戦闘シーンとか書くのは好きなんですが、しっとりなエタニティさんのカラーではありませんし。
どこかで「人の話を聞かないヒーローは苦手」とかいう感想を見ましたが、元荒くれのヤクザですので(笑)
任侠的な義理人情は重んじても、模範的な優等生ではありません。当然歪みはあります。
しかも瑛は猛獣を背に背負っているので、油断していたり、愛に飢えさせると牙を剥いてくる。
組長との約束やお嬢のためにまともになろうとしている健気な忠犬(自認)なのに、逃げようとすると本性ちらつかせて押さえ込みにくる(助けるためもありますが)…
そんな面倒で厄介な男に執着された、お嬢の悲喜劇がこの「仁義なき~」になります。
拒んで逃げようとすればガルガル吠えて追いかけ回してくる獰猛な大型わんこを、いかにお嬢が手懐けて有能な番犬にするか、お嬢こと藍の変化も見守っていただければ嬉しいです。

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