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勿忘草は、ノスタルジアな潤愛に乱れ咲く

勿忘草は、ノスタルジアな潤愛に乱れ咲く
タイトル勿忘草は、ノスタルジアな潤愛に乱れ咲く
傾向事務機メーカーコンサルタント課係長 × 年下ホテル総支配人
内容大学4年、蓮見香乃は、図書館で隣席に座る男に仄かな恋心を抱いていた。 香乃が好きな花……勿忘草(わすれなぐさ)の色と香りを纏う彼と触れた時、秘めた熱は爆ぜる。 だが彼が求めていたのは、ひとときの遊びだったことを知り、心に深い傷を負う。 30歳になった香乃は昔の面影を払拭し、事務機メーカーMINOWAの営業コンサルタント課の仕事をして、花屋をしている実家への援助をしていた。 ある日、仕事で同期の営業課長牧瀬慎と共に、あまり評判がよくないホテルに向かった。 総支配人として現われたのは、27歳の真宮穂積。 香乃に忘れられない傷をつけた――勿忘草を纏った男だった。

投稿サイト:
アルファポリス(完結)/ムーン(連載中)

「……蓮見さんはお好きなんですか、勿忘草」

静かに情熱を湛えた勿忘草色の瞳が、香乃に向けられた。

だから香乃は――。

「……いいえ。大嫌いな花です」

真宮の目は静かに閉じられた。
そしてゆっくりと目を開くと、僅かに顔を傾けながら微笑んだ。

「そうですか。それは……残念です」

今にも消えてしまいそうな、儚げで寂しげな笑みで。

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